花粉症

 花粉症とは
 身体が異物に過敏反応を起こすときこれをアレルギー反応といいます。スギ、カモガヤなど樹木や植物の花粉などが原因となって起きます。クシャミ、鼻水、鼻閉、目や鼻内の掻痒感、流涙などの症状がでます。症状は花粉の飛ぶ季節に起こり季節が終わればすっかり消えます。室内のほこりやダニなどに反応するものでは症状は1年を通して続きます。
 漢方の考え方
 漢方では花粉症は鼻水や涙がでることからその原因を水毒と考えてきました。水毒とは体液の分布異常という意味です。花粉症を治療する生薬は利尿作用や発汗作用のあるものが用いられてきました。そうした処方はいくつかあるので体質が弱いか強いか(虚実)をみて使い分けます。どの処方でも、その適用症状自体は冒頭に述べた通りであまり違いはなく、使い分けはやはり虚実の違いで区別します。
 よく使う処方
 もっともよく使われるのは小青竜湯(しょうせいりゅうとう)です。これは虚実中間の人に用います。虚実中間の人の割合が多いので使用頻度も高いのです。これより虚証の人には苓甘姜味辛夏仁湯(りょうけんきょうみしんげにんとう)や麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)などを用います。また小青竜湯より実証の人には越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)などを用います。
 体質改善のこと
 なお花粉症に毎年のように悩み、漢方で体質改善を望まれる方がいます。
柴胡剤(さいこざい)などの服用を3年位は続け体質を改善します。