治りにくい風邪 こじれた風邪

 風邪と体力
葛根湯は風邪の薬として有名です。寒気がしたら熱いお湯で1服飲むとポカポカと身体が温まりスッキリするのを経験された方も多いでしょう。多くの方の場合風邪は葛根湯で治りますし、また葛根湯で治る多くの方は新薬(西洋薬)の感冒薬でも治ることでしょう。つまり身体の回復力が充分なときは、身体は薬を選びません。さらには薬を飲まなくとも治ります。葛根湯を用いなくとも何かの方法で発汗させれば風邪は治ります。たとえば私たちは子供時代風邪を引くと、どんぶりに刻んだネギと味噌を入れ熱湯を注いで飲み、布団にくるまって汗をかくと風邪は治ってました。またこんな例もあります。若い人は冬スキーに行きますが、軽い風邪程度ならそのまま行っちゃうでしょう。ちょっと無謀ですが一理はあります。何故ならスキーをすれば身体が温まり汗をかき(空気が乾燥し汗が蒸発してしまい気づきませんが)、これが発汗療法となって治るのです。葛根湯も実は発汗させて治します。
 これらの例に見るように体力があれば風邪は治りやすいのです。ところで、体力のあるなしは胃腸の働きがよいか否かに関連しています。現代医学でも胃腸は免疫機能を担う主な臓器であることがわかってきました。ですから回復力・体力とは免疫機能のことです。

 風邪を引いたら

身体を温かくして休息するが一番効く“薬”です(忙しい現代人にはなかなか難しいことかも知れませんが)。
お薬を飲むときは、エキス剤をコップに入れたら熱湯を注いでよくとかし、フーフーやって冷ますようにして飲みます。身体を中から温めまた発汗を促すので、お湯は熱くしてコップ一杯たっぷりの量を飲みます。八百屋で売っているショウガをすり下ろし、その汁を数滴垂らして飲むと薬の効果が強められます。うどんなど消化のよいものを食べて温めるのもよいです。

 風邪に用いる漢方薬
 さて、当院には普段元気で風邪が葛根湯で治るような方はおいでになりません。
いらっしゃるのは、風邪を引きやすい方、一旦引くと治りにくい方、、あるいはまた新薬を飲んでも治らない方などが専らですので、ここではそうした風邪の治療について述べます。

体力が衰えている方の風邪−陰虚証の風邪。(04.01.28)
 
2週間だるさと熱感が取れないに補中益気湯+麻黄附子細辛湯症例
 のどかぜに桂枝湯+麻黄附子細辛湯症例

胃腸が丈夫でない方の風邪
(04.01.21)
 食思不振・倦怠・下痢に参蘇飲−普段半夏白朮天麻湯を飲んでいる人症例
 寒気・咳嗽・節々痛に参蘇飲−顔色悪く痩せた人
症例
 うつ気分に香蘇散−普段安中散を愛用している人症例

治療が悪ければ重傷化したかあるいはこじれたのではないかと思われる例
 インフルエンザの疑いに柴葛解肌湯症例

毎年秋から冬毎月のように風邪を引く高齢婦人。
          風邪の予防に小柴胡湯
症例

風邪の初期症状の後、気管支炎で咳き込むときに滋陰降火湯を用いた例です。
                     滋陰降火湯(1)症例、 滋陰降火湯(2)症例
次は初期から気管支炎に用いた例で、滋陰降火湯を風邪の急性期に使う場合の参考になります。
                     滋陰降火湯(3)症例