消化器疾患(便秘・下痢・腹痛)

消化器領域で漢方治療のよい適応は慢性胃炎、常習便秘症、過敏性腸症候群、慢性下痢症(器質的原因のないもの)、腸管癒着症(イレウスを繰り返す場合の予防)、慢性肝炎などの疾患です。他方西洋医学治療を優先させるべきものは、胃十二指腸潰瘍、潰瘍性大腸炎、クローン病などです。また外科的治療が優先で漢方の適応でないものには、急性腹症、早期ガン、絞扼性イレウス、出血、ショックなどがあります。

弛緩性便秘は女性や高齢者に多いです。
これには麻子仁丸がよく用いられます。ただ麻子仁丸で便秘が治ったばかりか、冷え、不眠、疲労、うつ気分も一緒に改善した例があります。症例
過敏性腸症候群小建中湯+四君子湯の長期服用で落ち着いた例。症例
15年来の慢性下痢症真武湯合人参湯で治った例。症例

急性胃腸炎で急性の下痢や嘔吐になった場合でも漢方治療で適切に治るものがあります。
普段当院に通院中の患者さんが風邪から下痢に陥ったときなどに治療する機会がありました。
葛根湯で感冒下痢が治った例。症例
生姜瀉心湯で治りました。症例
黄芩湯で急性胃腸炎が治った例。症例